速 読 ? ?

ピアノの上達に読譜力は絶対条件、音符カードは必須アイテムです。

初めが肝心と言うことで、新しい生徒さんには入会と同時にお母さん方にもご協力をお願いし、計32枚の音符カードを作成してもらいます。
入会時は生徒さんも親御さんも意欲的に作成して下さいます。

1枚に8個の大譜表が書いてあるA4用紙を4枚、1枚を8等分にし、台紙代わりに牛乳パック・カレー・レトルト・アイスクリームの空箱等を利用しのり付けします。計32枚のトランプ状のカードに4オクターブ分の音を書き、カードに穴を開けカラーリングを通せば出来上がり!!

子供たちは各々のオリジナルのカードをめくりながらひたすら速読練習です。カードをめくるにも脱力と両手使いの器用さが必要で、目標タイムはその子のめくる手のスピードに設定します。毎週少しずつタイムを上げていき、めくれるタイムに近づけます。目と頭と手と口の連携プレーがスムーズになってくると、音読スピードもアップし、3ヶ月もすれば4オクターブも制覇、32枚を30秒以内でクリアー出来るようになります。

しかし現実は甘くなく、32枚30秒をクリアーしても楽譜になった途端、読譜スピードは大幅にダウン。大きさ、音価の違い、集合体になる事で交通渋滞が起きてしまうようです。渋滞解消にはかたまり読みや先取り読み、あの手この手の読譜トレーニングを繰り返し行います。今日も明日も明後日も憧れのショパンやリストに近づくために・・・

I.Aちゃんとお母さんの共同制作オリジナルカードです。やる気モードも全開になりますね!!
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午後コン(^^♪

東京フィルの午後のコンサートは年に4回、気ままな日曜午後のリフレッシュタイム☕です。

今回のプログラムの前半は武満徹:三つの映画音楽  芥川也寸志:弦楽のための三楽章〚トリプティーク〛 スメタナ:連作交響詩〚わが祖国〛より「モルダウ」 後半はドヴォルザーク:交響曲第9番  ホ短調  作品95〚新世界〛より  ラストもドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88より

武満徹と芥川也寸志は今回初めて聴く曲かな?と思いながらプログラムノートを覗くと、武満徹の三つの映画音楽 No.1.訓練と休憩の音楽~「ホゼー・トレス」より~は1959年 勅使河原監督作品で使用されたドキュメンタリー映画音楽、No.2 葬送の音楽~「黒い雨」より~は1989年 今井昌平監督作品の広島原爆の悲惨さを表現したレクイエム、No.3 ワルツ~「他人の顔」より~は1966年 の勅使河原作品の主題曲との事。

メロディーも和声も形式も納まるようで納まらない前衛的な武満徹作品とは真逆のもので、深い心の機微に触れながら、どことなく懐かしさ・愛おしさも感じさせるとても愛情深い人間味に溢れていた方だったのかも知れない‥そんな印象を持つ曲でした。

また指揮者の尾高忠明さんの軽妙な語りの中で、彼の音楽は前衛的なものから段々と時代を遡るようにバロックへと興味が広がっていったこと、年に300本を観る大の映画ファンで映画音楽はオーケストラ曲と並ぶ創作の柱であったこと、彼自身「映画音楽を書くことは、自由へのビザを手に入れることに似ている」と語り、おまけに相当なゲーマーだった!ことが語られました。当時のゲームって?何でしょう。

そして、芥川也寸志の「子守歌、アンダンテ」は「ノック・ザ・ボディー」という奏法が用いられ、楽器のボディーを手で叩く奏法は奏者それぞれの叩く場所や叩き方の違いもあり、音色も視覚的にも面白く、3曲目の「プレスト」は祭り太鼓のリズムを用いた変拍子の曲でとてもユニークでした。

芥川也寸志も70本以上の映画音楽に携わり、1963年の「太平洋ひとりぼっち」では武満と芥川の共作もあり、高度成長期の中にいた武満徹・芥川也寸志・黛敏郎・伊福部昭などの作曲家にとっては情熱を投影できる実り多き時代だったのかも知れません。

ターゲットを絞り、お金を貯めて、想いを募らせての音楽会もあれば、ハズレも多いけれどリーズナブルでも予期せぬ大当たりが出る音楽会もあって、行ってみなければ聴いてみければ分からないのが音楽会!
今回は大当たりのガラガラポンでした(^^♪

 

ピアノがお琴に?!

ゴールデンウイーク中盤、今年もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2016が開催されました。
5月4日朝方の雨も上がり初夏の陽気の中、「ラ・フォル・ジュルネに小曾根さん出るけど行く?」のお誘いに数年ぶりに出かけてみました。

今回はチケット購入も人任せ?事前リサーチなしなので、演目は会場のポスターで “動物たちのカーニバル~室内楽版「動物の謝肉祭」”と理解、出演者も小曾根さん以外のピアニストに江口玲さん、Vn  矢部達哉さん、Vc 宮田  大さん、Cl 吉田 誠さんなど、有名どころが名を連ねていることを当日のプログラムで知りました。

開演を心待ちにし、いざステージにライトが当てられると、オープニングはピアノとヴァイオリンで「春の海」!?

タイトルからすると季節外れでもないかもしれないけれど、スタインウェイのフルコンを弾いている江口さんのピアノからはお琴の音?!ヴァイオリンの音色も雅楽の縦笛?!

視覚と聴覚が一致しない何だか変な感じ??

その後の種明かしで、ピアノは弦に帯状の布をペラ~ンと貼って、お琴の音?を表現、ヴァイオリンは奏法を屈指し日本古来の縦笛を表現したとのこと。観客からは大きな拍手が沸き起こり、5000人の心を一気に掴んだオープニングだったかも知れません。?

オープニング後の小曾根さんのピアノソロは水をテーマに、流れるピュアな音色とチックコリア風のエッセンスと南米のリズムが融合したような音楽で、とても心地よい小曾根サウンドでした。(^^♪

本題の「動物の謝肉祭」は8名の室内楽編成と小曾根さんと江口さんのピアノディオ。弦も管も各楽器の特性を活かし、動物のキャラクターを表情豊かに熱演。

そして jazzとクラシックのピアニストはシンクロしにくいところが垣間見えたりしますが、小曾根さんと江口さんのピアノディオは曲のボルテージや捉えどころが恐ろしくマッチングし、2台とは思えない切れ味の良い息の合ったディオでお見事!

今年のラ・フォル・ジュルネはナチュール‐自然と音楽で、季節、風景、動物、天体、天地創造など大自然をテーマにした演目が並び、空間・時間・地域に捉われない多様性のあるプログラミングになっていました。

例年の特定の作曲家や時代や地域がテーマだった内容から、昨年より広がりのある普遍的なテーマにイメチェンだそうです。ラ・フォル・ジュルネだから出来るもの!!創って欲しいですね。

感覚もイマジネーションも掻き立てられる一日でした。

初めの一歩

陽ざしも和らぎ、草木も芽吹きも始めました。
コートを脱いで、軽やかに出かけたい気分です。

これからの時期、卒業・卒園を控え、お別れ会やクラス発表の多い時期ですね。

そんなある日、右手は少し動くようになってきたけれど、左手はかなり苦戦中のGくん、お姉ちゃんと同じピアノを習い始めたことが彼の中で自負する出来事だったのか、小学校お受験の5歳児クラスで”何か得意なものがある人?”と先生から問われ、一番に手を上げ、みんなの前で堂々と”?メリーさんのひつじが弾けます!”と宣言、両手で披露したとの事。

そして、ピアノを始めてまだ二か月、いつもお母さんに寄り添い、控えめで優しいYちゃんは幼稚園のイベントで、みんなからのガンバレコールに励まされ、誇らしげに?ぴかぴかぼしを披露したそうです。

GくんもYちゃんも相当な勇気を振り絞ってのお披露目です。

年齢を重ねるにつれ、勇気を振り絞るような状況に身を置くことを敬遠してしまいます。
失敗したらイヤだし、カッコ悪い自分を見せたくないし、見たくないし、出来る自分でいたいし・・・色んな心模様が邪魔をしてしまいます。
完成品とは言えない状態でも、失敗を恐れずまずはやってみる!トライしてみる!事は実際は中々難しいことかも知れません。

心の中の余分なものを払拭し、初めの一歩が出せたとき、その後の歩みに大きく作用することは間違いありません。成長の助けになるはずです。

いくつになっても、勇気を振り絞って、 ” 初めの一歩 ” を踏み出せたら・・・
何事も Let’s  try でいきたいですね。

職人技

ピアニストにとって、本番で使用するピアノの鳴りや響き、ペダルのきき具合、ホールの残響など本番前にチェックしておきたい事は沢山だが、ピアニスト&作曲家の藤井一興氏はそれら以外にゲネプロ前に必ずチェックする事があるそうです。

通常ピアノの鍵盤の深さは約10ミリ、7~8ミリのところで音が出る仕組みになっていて、その7~8ミリが演奏を左右すると言う藤井氏はハンマーの戻り具合、鍵盤の弾力などを指先の感覚でチェックするのだそうです。

ゲネプロ前にピアノの癖をインプットし、頭の中で微調整、ゲネプロで確認する。更に聴衆が入ると音の吸収が違う為、それを想定して本番に望む。

藤井氏の奏でるピアノは何とも言えない柔らかさと甘さと透明感があり、色彩のグラデーションで異国へと導いてくれます。

藤井氏は「音楽において時はリズムでありテンポであり、一番身近なところでは鼓動でしょう。鼓動は生命の象徴であり、時の宿命は絶対に止められない事です。私は多くの作曲家から、最後まで生きようとする強さとエネルギーを感じます。私の音楽を通じて、その一部でも皆さまにお伝えできれば幸いです」と想いを語ります。

365日欠かすことのない音への追及と作品の洞察は藤井一興氏の生命の象徴であり、10ミリの鍵盤を自由自在に操る技術と耳はまさに職人技です。

昨年3月、念願叶ってエリザベート・レオンスカヤのピアノを東京文化会館で聴くことが出来ました。

32年ぶりの来日で一夜限りのオールシューベルト、CDでしか耳にしたことのなかった甘く華麗なショパンからは想像も出来ない、肉厚でとても深い音楽でした。

作品によって作曲家によってこんなにも変幻自在に変化するレオンスカヤの凄さに改めて感銘、終演後、ロシアまで行かない限り彼女のピアノを聴く機会はもうないと思うとサインも握手も頂いてしまいました。(*^_^*)

今年もどんな職人技とどんな音楽に出会えるのか楽しみです。

3月17日すみだトリフォニーのミッシェル・ベロフ、18日東京文化の藤井一興氏のリサイタルが待ち遠しい。。