午後コン(^^♪

東京フィルの午後のコンサートは年に4回、気ままな日曜午後のリフレッシュタイム☕です。

今回のプログラムの前半は武満徹:三つの映画音楽  芥川也寸志:弦楽のための三楽章〚トリプティーク〛 スメタナ:連作交響詩〚わが祖国〛より「モルダウ」 後半はドヴォルザーク:交響曲第9番  ホ短調  作品95〚新世界〛より  ラストもドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88より

武満徹と芥川也寸志は今回初めて聴く曲かな?と思いながらプログラムノートを覗くと、武満徹の三つの映画音楽 No.1.訓練と休憩の音楽~「ホゼー・トレス」より~は1959年 勅使河原監督作品で使用されたドキュメンタリー映画音楽、No.2 葬送の音楽~「黒い雨」より~は1989年 今井昌平監督作品の広島原爆の悲惨さを表現したレクイエム、No.3 ワルツ~「他人の顔」より~は1966年 の勅使河原作品の主題曲との事。

メロディーも和声も形式も納まるようで納まらない前衛的な武満徹作品とは真逆のもので、深い心の機微に触れながら、どことなく懐かしさ・愛おしさも感じさせるとても愛情深い人間味に溢れていた方だったのかも知れない‥そんな印象を持つ曲でした。

また指揮者の尾高忠明さんの軽妙な語りの中で、彼の音楽は前衛的なものから段々と時代を遡るようにバロックへと興味が広がっていったこと、年に300本を観る大の映画ファンで映画音楽はオーケストラ曲と並ぶ創作の柱であったこと、彼自身「映画音楽を書くことは、自由へのビザを手に入れることに似ている」と語り、おまけに相当なゲーマーだった!ことが語られました。当時のゲームって?何でしょう。

そして、芥川也寸志の「子守歌、アンダンテ」は「ノック・ザ・ボディー」という奏法が用いられ、楽器のボディーを手で叩く奏法は奏者それぞれの叩く場所や叩き方の違いもあり、音色も視覚的にも面白く、3曲目の「プレスト」は祭り太鼓のリズムを用いた変拍子の曲でとてもユニークでした。

芥川也寸志も70本以上の映画音楽に携わり、1963年の「太平洋ひとりぼっち」では武満と芥川の共作もあり、高度成長期の中にいた武満徹・芥川也寸志・黛敏郎・伊福部昭などの作曲家にとっては情熱を投影できる実り多き時代だったのかも知れません。

ターゲットを絞り、お金を貯めて、想いを募らせての音楽会もあれば、ハズレも多いけれどリーズナブルでも予期せぬ大当たりが出る音楽会もあって、行ってみなければ聴いてみければ分からないのが音楽会!
今回は大当たりのガラガラポンでした(^^♪